ヒツジから刈り取った毛の繊維です。
カーペット素材の中でも特に、手ざわりがやわらかで暖かく高級感あふれる自然素材です。
ヒツジは通常年1回、春の温暖になるころに毛を刈り取ります。現在は、電気バリカンによって腹部より左右に切り開き、順次はぎ取っていき、一枚の毛皮のような形(フリース)にします。一頭のヒツジから収穫できる羊毛量は、オーストラリアンメリノー種で約3キログラムで、刈り取ったままの羊毛(原毛)は土砂、糞尿(ふんにょう)、脂などが付着していて、これを洗ってきれいにすると目方は約半分となります。またフリースのなかでも部位によって毛の長さ、光沢、細さなどに差があります。肩の部分は、細くて長く質も柔らかで、もっとも良質の毛を産出します。
ウールの特徴として以下があげられます。ウールには上記のような長所や短所がありますが、最新の技術により短所は大幅に克服され、長所はさらによくなり、カーペット素材として待望の吸音性・染色性・吸湿性・汚れにくく汚れを落としやすい、クッション性・難燃性・保湿性等の優れた性能をもつことになりました。また懸念されていた、虫やカビに侵されやすい欠点は防虫加工という技術で克服しました。また、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドを吸着し、再放出させない働きもあるといわれており、安心に生活する上での必要不可欠なカーペット素材の一つとなりました。